秋田市浸水災害 ボランティア活動2023/8/11~8/16

投稿者: | 2023年8月17日

埼玉RB隊員1名が秋田市災害ボランティアセンターにおいて、2023/8/11~8/16(計3日間)活動を致しました。

<背景>

7/14からの記録的な大雨により、秋田市の多くの世帯が浸水被害に。旭川と太平川の間、特に明田地下道より南・東の地区で内水氾濫発生(現在、水は引いてます)

・秋田市発表:想定32,000世帯。秋田市の約1/4が浸水被災地に

・7/17 秋田市災害ボランティアセンター設立


秋田市社会福祉協議会[社共]内(※2)

NHK-TVニュース画面を撮影

・7/18移動、7/19~7/23ボランティア活動、7/24帰宅
・8/10移動、8/11~8/16ボランティア活動、8/17帰宅

<個人準備>

・個人装備:雨合羽、帽子、長靴、ゴム手袋、マスク、タオル、水、昼食、スコップ、バール

<活動行程/活動実績>

・8/10(木):埼玉県より秋田市へ移動
・8/11(金):1日目(担当地区:楢山地区/計1宅、天候:酷暑)
・8/12(土):2日目(担当地区:大住地区/計2宅、天候:終日小雨&一部晴天)
・8/16(水):3日目(担当地区:大平地区/計1宅、天候:晴天)
・8/17(木):秋田市より埼玉県へ帰宅

<活動内容>

・期待されている事項:被災された各家庭からの個別要求への対応(例:片づけ、清掃、等)


集まったボランティア(※2)、秋田市災害ボラセン前にて

(共通)
依頼者へ前日Telし承諾を得た一覧(活動前マッチング表)で、地区・活動概要の把握が可能。その日に集まったボランティアメンバーで、即席で約4人~6人のグループ化、作業先を確定。

ボランティアのみで出す車で、指定被災地へ移動。以後は、ボランティアのみで夕方まで活動。

・活動前にグループリーダー、タイムキーパーを定める。昼食は、各自が持参する物を飲食。
・被災地のライフラインは様々(電気・水道・トイレが全てNG、現地利用不可の場所あり)

・1日目:【要求概要】屋外の泥除去(床下浸水、太平側沿い)
         ⇒屋外の浸水箇所、何度洗ってもドブ臭いご指摘有り。洗剤清掃、庭の整理作業を実施

・2日目:【要求概要】清掃・家財移動(床上浸水、川沿い)
     ⇒浸水箇所(玄関、二重サッシ)異臭指摘。全てを取り外し、レールを含め洗浄、清掃

【要求概要】物の仕分け・搬出(床上浸水、川沿い)
⇒自営業、商材(無垢の木、看板)が全て浸水。玄関先から裏小屋へ全て移動を実施

・3日目:【要求概要】住宅周りと畑の汚泥だし。(床上浸水、川沿い)〈継続案件:3日目〉
         ⇒農家。約2㎝厚の土の堆積。酷暑で固まり取り除き困難。勝ち割り土嚢袋へ&清掃

<活動前マッチングの一例>①

<活動前マッチングの一例>②

<秋田市災害ボランティアセンター>

  1. 活動速報値
秋田市災害ボランティアセンター速報 ※1 
ニーズ件数募集人数登録ボラ活動実績活動件数活動人数
8月9日1710076AMのみ2076
8月10日25150150AMのみ20154
8月11日20120118AMのみ30164
8月12日1590130終日25119
8月13日159077AMのみ1591
8月14日159076終日1584
8月15日159084AMのみ2081
8月16日209083終日1689
  1. 活動の事前判断

(依頼者、およびボランティアの熱中症防止のため)
 ・①熱中症アラート発令(気温が35度を超える予報)の時
 ・②降水量が3mmを超える予報の時
  ⇒活動時間を短縮(活動はAMのみ実施)もしくは中止を、活動当日朝に判断を行う。

<秋田市の現状>(8月15日時点)

・7月訪問時(7月18日~7月23日)と比較し、街の水没は無くなり、水は引けていた。

・路上や空き地に積み重なっていた災害ゴミも、大通りから見ると回収が進み無くなっていた。
(ただし、一歩路地を入ると、水に濡れた畳が置かれており、まだ回収の最中を確認する)

・水害で閉鎖・営業不可能であった多数の商店やコンビニは、約半数程度の営業再開を確認。
(ただし、まだ店舗前に積み重なる災害ゴミのまま、営業中止の張り紙の店も少なくはない)

 <一例>


水が引いた直後(7月20日に撮影)

営業再開(同場所にて、8月11日撮影)

●概要●(8月15日時点)

・浸水や損壊にあった住宅は約6千棟(床上浸水3,850/床下浸水2,753。全壊10。死者1)
・罹災証明書 : 申請数:約6,800件。発行50件(8月12日時点)
・災害ゴミ  : 総量が見通せず(処分の解決時期の方法も、目途も、いまはたっていない)

●現在の課題●(8月15日時点)

・災害ゴミの搬出  (未だに手が付いていない、片付いていない家も多数)
・手つかずの被災住宅(実態確認を含め、調査および確認がしきれていない)
・ボランティアの確保(ボランティアは集まるも、猛暑で作業時間の短縮に)

●秋田市災害ボランティアセンターの見解●

・いま一番必要な物は?(「物」・「人」・「情報」) ⇒ 今は「人」(ボランティアの力)

 運営は北海道含む他地域の社協も運営に協力。物資も多数から集まっている

<感想>

  • 秋田県の大雨災害から1ケ月が経過し、首都圏や関東ではマスメディアが取り上げなくなって
    いる。世間では支援要請がひと段落しているかの様に思われているが、実態は今も困っている人が多く、ボランティアの力に期待をもたれている現状を、改めて訪問し確認した。
  • 当初描いていた復興・復旧計画も、猛暑によるボランティアの活動時間制約、思っていたより
    県内ボランティアが集まらず、県外ボランティア数に依存していること等、各種要因が重なり
    生活再建への道のりは非常に険しいままであることを、住民の声を含め、肌をしみて感じた。
  • 秋田市災害ボランティアセンターに確認した結果、今回の主な水害被害は、川の氾濫ではなく
    「内水氾濫」であり雨水が排水できずに流水。川の氾濫等の泥や土砂の流入被害ではなかった。
    従って、床下の泥のかき出しの作業はなく、床上げし、風を通すことで復旧につなげる方向。
  • ただし、床上浸水・床下浸水問わず、流水したことに伴う汚れ、特に匂いが夏場の一番の課題。 東北特有の二重サッシに入り込んだ汚水の臭い、玄関上まで入り込んだ汚水は、ドブ臭さに…
    住民は拭き掃除、水洗いを、何度も何度もするが、それでも異臭に耐え続ける毎日を感じた。
  • 行政(保健所や県の指導)は、床下は基本消毒しないと公言しているが。住民感情は逆である。
    どこから匂ってくるか不明な異臭に、消毒行為をせずに住み続けることに、不安がつのる毎日。
  • 今回の酷暑における被災者宅への連日の訪問で、ほぼ全ての家庭で、匂いへの対策やノウハウを問われ、ガレージ、物置、押し入れ、何度水洗いしたらいいのか、更に水洗いしてほしい…
    こうした要望に対する追加要求が圧倒的多数であることを実感した。
  • 被災者宅や被災者も、県や市に藁をもすがる思いで情報提供を求めても、行政も手探り状態。
  • 「まだ確定していない」、「まだはっきりしてない」、住民のいらだちも、何とかしてあげたい。
  • ボランティアは何で役に立つかわからないが、話を聞いて共感することだけなら誰でも出来る。 今回は、汚水で濡れ続けた壁や床の匂いへの対応や対策を問われ、答えられず悔しい思いも。
    濡れた写真の対応等、求められる情報はボラセンに貼出しあり。貪欲に吸収し次回は望みたい。


(一例)ボラセンに貼り出されていた、ボランティア向け情報提供

<その他>

①被災地へ向かうボランティアの車(7月と8月でダッシュボード掲示変更、一輪車積載等

②ボランティアの半数以上が、県外からの協力者の日も珍しくない(※2)

③地元新聞(※3)のボランティア募集【各市町で条件相違】、ボランティア活動後の入浴可情報

(秋田テルサは郊外、サンライフ秋田は社協の脇/大浴場&サウナ付)(活動証明書の一例)

<引用元>

・※1 『Facebook』 
R5.7.15秋田市災害ボランティアセンター
https://www.facebook.com/profile.php?id=100094893191841

・※2 『テレビニュース』
AAB秋田朝日放送、2023年08月14日 18時55分
7月の記録的な大雨の降り始めから1カ月 秋田市では厳しい暑さのなかお盆も片付け作業続く

https://www.aab-tv.co.jp/news/aabnews-23081415490059/

※3 『新聞』
 秋田魁新報(秋田さきがけ)2023年8月15日版、第1面、第24面

以上

【本記事における一部、もしくは全部の、無断掲載・転用はご遠慮ください】

コメントを残す